ナローバンドUVBとは
ナローバンドUVBとは、アトピー性皮膚炎、乾癬、白斑などに有効な新しい紫外線療法です。このナローバンドUVB(NB-UVB)は中波長紫外線領域に含まれる非常に幅の狭い波長域(311±2nm)を持った紫外線で,現在では乾癬を初めとして、アトピー性皮膚炎、白斑、多形日光疹、菌状息肉症の治療に用いられています。薬をつけたり、飲んだりする手間がなく、照射時間が短く簡便で、しかもPUVA療法に匹敵する効果があるため、本邦でも急速に普及してきています。 安全性が高く、小児や妊婦にも使用可能であり、従来の治療法にこのナローバンドUVBを組み合わせる事によって内服やステロイド外用の量を減らすことが期待できます。
どういう病気に効果があるの
上記の乾癬やアトピー性皮膚炎では多数の症例の比較検討が為され、現在は外用療法のみでは改善されない症例に対して、ナローバンドUVBによる治療がかなり有効であることが明らかになってきています。その他、尋常性白斑、菌状息肉症、結節性痒疹でも有意に改善するとの報告が多いようです。また、難治といわれている透析にともなう痒みにも効果があります。
メリットは
ナローバンドUVB療法にはよって、下記のようなことが期待されます。
a)比較的早期から「痒み」が減ってくる。
b)外用する薬の量が少なくて済むようになる。
c)照射をして改善が見られた場合に、再発するまでの期間が長くなる。
どうやって治療するの
上記の疾患の治療中の患者さんで、外用療法、内服療法を継続しているけれども、なかなか改善しない、満足行くところまで症状が改善しない患者さんには、週2、3度から2週に一度の頻度で適量の紫外線(311±2cm2)を照射するようにしています。最初は、患者さんのスキンタイプに応じて、短時間の照射から始めます。
副作用は
短期の副作用としては、皮膚の赤み、色素沈着(日焼け)、ほてり感、ヤケドなどがありますが、他の紫外線療法より起こしにくいと考えられています。長期の副作用として、やはり皮膚の発ガンという事は考えておかなければなりませんが、欧米での長期にわたる研究結果、および我が国におけるデータからもこの治療では、まず発ガンの心配はないと考えられています。
|